› 行政書士組織論: 組織の前提となる売上について(1)
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短期的売上と中長期的安定
実は行政書士業務で一定の売上を上げることは、それほど難しいことではないと思っています。仮に1人事務所で1,000万円以上としましょうか。
行政書士の商材は許認可を中心とした商事法務と相場が決まっているので、買い手が固定されている上に、この業界の営業ノウハウのようなものも良く出回るようになっているので、それらを勘案して、適正なサービスを適正な価格で適正な対象に向けて営業活動すれば、上記の金額は夢のような数字ではありません。
「それほど難しいことではない」のは単年1,000万円なのであって、この金額はちょっと気が利いていて手の早い行政書士だったら行くんです。気を利かせて仕事の回ってくる仕組みを作り、目の前にある案件をひたすらこなせば、これくらいの数字はいくと思います。
ですが、これだと1人が働いた満足感を得て、依頼者から感謝され、ほんの少しだけ贅沢な暮らしが出来て、それで終わりなんです。これだけを基盤にして組織は出来ません。あくまで短期的にこれくらいの数字が上がっているだけの状態なんです(開業2年経った頃の僕です)。
組織を作り維持していくためには、中長期的に安定的な売上を立てる必要がありますが、一般に行政書士さんというのは、これが苦手なように見受けられます。もちろん、行政書士業務が単発メインの業務スタイルだということはあると思いますが、その他にも、継続的に依頼を受けることを前提とした顧客との関係作りを疎かにしていることも大きな原因の1つだと考えています。
顧客との関係作りには様々な方法がありますが、一例としては以下のようなものです。
- 一定期間でコンタクトを取る仕組み作り(月1電話フォローとか)
- 相手に対するインプレッションの作り方(見え方、見せ方の工夫)
- ヒアリングの機会を増やし関連する業務の提案ができる関係になる