仙台の塩谷です。一旦頭のなかで原稿を作って、それを書き下して推敲してみてという作業が入り、没になるものも多いので、結果的に遅筆になりがちでございます。
先日、石下ちゃんと言われる(僕が勝手に呼んでいる)方が主催する「行政書士の学校」さんで以下のイベントが開催されたとのことで、ちょっとだけ触れさせていただこうと思います。
› 行政書士法人大討論会2015 | 9月12日 | 全国の行政書士法人の代表が集合
「どうやって行政書士業務を軌道に乗せるか」という話はもう出尽くした感があり、また概ね浸透してきているようにも思います。塩谷の意見では業務知識よりまず社会性やで、ということになりますが、以前こんな記事も書いてみました。
› 行政書士組織論: 組織の前提となる売上について(番外編 / 塩谷編)
1人立ちすることは、きっと行政書士はそれほど難しいものではないと思っています。頑張れば何とかなる。2015年現在が僕が開業した当時よりウェブの環境も変わり、サイト作っておけば仕事が来るような世界観ではないでしょうが、それでも気合で何とかなると思います(保証はしない)。
上記の大討論会は「行政書士法人の代表者が集う」というところにトピックがあり、確かに法人代表者が討論するというイベントはあまり聞いたことがないので、では法人代表者だったら良いのか、という点を確認してみたいと思います。せっかく稿を上げるのだから、面倒に考えてみます。
まず、行政書士法人は2名以上の行政書士を社員に置かなければなりません。立ち上げ所長を1人+資格者もう1人と考えると、売上でいえば1800〜2000万円/年くらい必要になります。必要ですし、これくらいないと法人化する意味がありません。細かい計算はしないことにしましょう。
1人で1000+α/年くらいの売上は、ちょっと気の利いた行政書士ならすぐ行きますし、開業1年かからずに行く人も結構います。その事自体は別に驚くべきことではないですし、それで「セミナー」という名の自慢話披露会されたっていい迷惑ですが、1500〜/年くらいになってくると少し様子が変わってきますね。利益効率が落ちてきて「やってるけど儲かっている実感がない(比例して伴わない)」という感覚になってくる数字です。
そこから自分以外の人間に仕事してもらうためにスタッフを雇用しようとか、雇用のためにオフィスを借りようとか、敷礼がいくらで法令福利費が何%で....という話になってきますので、すごくざっくりした括りで恐縮ですが、上記の大討論会にパネラーとして出ていらっしゃる方々は、皆それを乗り越えてきている方々だということになります。伊達や酔狂で士業法人なんて面倒なことをしませんから、法人やってる人たちは気合入ってるよね、ということですよね。
› 行政書士組織論: 行政書士事務所を法人化して変わること
(ちょっと意地悪な意見ですが、すいません、許してください)2名いれば法人化できるので、法人であることそのものに絶対的な価値はない、ということでもあります。結局は行政書士法人というものはただの制度であって、それによって担保されるのは「社員行政書士が2名いる」ということだけです。
石下ちゃんがせっかく(親愛を込めて申し上げますが)やらかしたんだから、建設的に発展していくため、あえて突っ込みを入れたいと思います。恐らく出席したパネラーの方でも同じことをお考えだった方はいると思います。
(そしてパネラーさんをディスる意図は全くございませんので皆さま悪しからず。皆さまのことは居酒屋で三日三晩泣きながら傷を舐め合いたいほど愛しています)
もっとやべえ法人代表者をお呼びするべきだったのではないか、という点です。もっとやべえ人がいますし、石下ちゃんもそれを知っているはずです(具体的には5〜10億ランク)。まず法人代表者を集めて開催したという点にトピックと大きな意義がありますが、もっとやべえ人が出席していたら塩谷も東京まで拝聴に行きました。今回のパネラー全員怒られたりしたらおもろいっすよね、「努力が足りん!」なんつって。
ということで、非常に穿った見方をすれば今回のイベントは「法人の人たちである」という側面があったのに対し、塩谷はその先の世界を見たいということなのでした。