この会社をどこに持っていくのか、という命題があります。企業理念などのアツい話じゃなく(アツい話が超苦手なんで)、具体的に数値化できる範囲での話です。
つまり売上規模○円で利益率○%、地域シェア○%、店舗数○くらいで従業員数○人くらい、というような、定数化できる目標ということでしょう。
組織論なので、組織的に事業拡大を〜ということだけに目が行きがちな気がしないでもないです。特にこの界隈にいらっしゃる方は比較的年齢層が若めのようなので、「行くぜ!拡大だ!」という方向になりがちなような気が。
ですが、後ろ向きのような気がしないでもないですが「落とし所」って必要ですよね。特に士業と言われる業界の特徴として、広告制限が廃止されたばかりで標準報酬もなくなったばかり、法令上オープンに多面展開できるようになったばかりと、事業体としてはかなり幼い業界なので、落とし所を想定しない事業展開の結果がまだモデルケースとして存在しないように思いますから、「いや大体こんなものでしょ」というレベル感は持っていないとヤバいように思います。
(何年か前に金が回らくなって倒産した行政書士法人があったような気がしますがね)
少しややこしくなったので順を追ってみたいと思います。
行政書士には、平成12年4月1日に改正行政書士法が施行されるまで行政書士標準報酬というものがあり(今になってみれば独禁法違反もいいところですが)、価格を自由に設定できるようになってまだ15年程度の世界です。実は未だに報酬が安いことそのものに対する不満(つまり「安いからけしからん」という業界内の声)はあらゆる場所で聞きますし。
許認可を中心とした商事法務を前提とすると、基本的に行政書士業は手続き業ということになり、いわゆる労働集約型のビジネスモデル(何をやったらいくら、という意味ですね)に帰結していきます。手続きの成果物自体にはほとんど差異がなく、スピード、簡便さ、専門性などで差別化を図ることになりますが、青天井ではないので、そこには自ずと限界が出てきます。ほとんど差がないところに行き着くはずなんです。
そして価格で差別化する他ない状況が生まれます。本当はそれ以外にも差別化する要因はあると思いますが、ここには書きまへん。価格以外の差別化要因がないと思って、価格を下げるんですね。自社では下げるつもりがなくても、周辺競合が下げれば自ずと相場が下がっていくので、長いスパンで見れば自社も徐々に下げ傾向になるはずです。
つまり、行政書士の主戦場である許認可業務の報酬は常に下げの圧力に晒されており、更に労働集約型でもあるので、拡大路線一辺倒で人を増やすほど、利益確保は年々難しくなるわけですね。むう、むむう。
もう1つの観点として市場規模に対するシェアという問題があるんじゃないかと。以下超あけすけな書き方してしまいます。
基本的に士業は対役所仕事なので、志向しなくとも地域密着にならざるを得ず、地域の中でどのくらいのパイを取るか、シェアを取るかという競争以外ないんですね。陣取りゲームなんです。
そして地域の中で自社がどのくらいシェアを取れるか、というと多分せいぜい頑張って15%くらいなんじゃないすかね。何とか先生という世界観が支配的な業界なので、業務が属人的で流動性が極めて低いので、シェア1%くらいの何とか先生が無数にいる、という業界構造なんですよね(客観的に見て結構キモいですよね)。その中で15%だと、ほぼ圧倒的と言えると思います。
滅茶苦茶頑張って15%も取ってしまうようになると、事実上その地域はトップ2〜3社の寡占市場に近くなり、それ以上パイを広げようとすると、CPOが飛躍的に上がってくると思われます。CPOだけじゃなく人もショバも余計に必要で、相対的に売上全体に占める経費は上がり、当然利益率が下がります。
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下げ圧力と労働集約ビジネス、パイ打ち止めによる利益率悪化が重なるので、一定程度の規模感を維持し続けるのが一番儲けが確保しやすいんじゃないのか(というか論理的に考えるとしやすいんだが)、じゃあ拡げる意味あんのか、という話になります。僕が考える適正規模というのは、その辺のことですねえええ。
翻って、じゃあずーっと同じ規模感でいて良いのかという問題もあろうと思います。(どこかで聞いたことある言葉ですが)行政書士事務所だって事業者ですから、ゴーイングコンサーンが基本なので、そのためには現状維持だけしているわけにはいかないのです。
別に行だけで売上を立てなければならない決まりなどないので、それぞれ好き勝手にやってみたいことをやったら良いと思いますが、少なくとも弊社について言えば、まだ士業の枠組みの中で手がつけられていない展開が膨大に残っていると思っていますから、飽きるまで(まだ飽きてないみたいな言い方...)その未開の分野を掘る作業は続けると思います。
で、弊社にとって考えうる妥当な落とし所も大体見えてしまっているのですよね。先日某チャット内でこの数字をそのまま言ってしまった某同業者さんがおり、やっぱこのチャットおもしれえわ、と思った次第です。
› チャットワーク - 行政書士組織論
(承認制になっており、実はゆるーく一定の承認基準みたいなものがあります。管理者が客観的に見て「たぶん行ってねえべ」と判断した場合、承認されない可能性がありますが、悪しからずご了承くださいませ)
つまり売上規模○円で利益率○%、地域シェア○%、店舗数○くらいで従業員数○人くらい、というような、定数化できる目標ということでしょう。
組織論なので、組織的に事業拡大を〜ということだけに目が行きがちな気がしないでもないです。特にこの界隈にいらっしゃる方は比較的年齢層が若めのようなので、「行くぜ!拡大だ!」という方向になりがちなような気が。
ですが、後ろ向きのような気がしないでもないですが「落とし所」って必要ですよね。特に士業と言われる業界の特徴として、広告制限が廃止されたばかりで標準報酬もなくなったばかり、法令上オープンに多面展開できるようになったばかりと、事業体としてはかなり幼い業界なので、落とし所を想定しない事業展開の結果がまだモデルケースとして存在しないように思いますから、「いや大体こんなものでしょ」というレベル感は持っていないとヤバいように思います。
(何年か前に金が回らくなって倒産した行政書士法人があったような気がしますがね)
下げ圧力と利益率について
少しややこしくなったので順を追ってみたいと思います。
行政書士には、平成12年4月1日に改正行政書士法が施行されるまで行政書士標準報酬というものがあり(今になってみれば独禁法違反もいいところですが)、価格を自由に設定できるようになってまだ15年程度の世界です。実は未だに報酬が安いことそのものに対する不満(つまり「安いからけしからん」という業界内の声)はあらゆる場所で聞きますし。
許認可を中心とした商事法務を前提とすると、基本的に行政書士業は手続き業ということになり、いわゆる労働集約型のビジネスモデル(何をやったらいくら、という意味ですね)に帰結していきます。手続きの成果物自体にはほとんど差異がなく、スピード、簡便さ、専門性などで差別化を図ることになりますが、青天井ではないので、そこには自ずと限界が出てきます。ほとんど差がないところに行き着くはずなんです。
そして価格で差別化する他ない状況が生まれます。本当はそれ以外にも差別化する要因はあると思いますが、ここには書きまへん。価格以外の差別化要因がないと思って、価格を下げるんですね。自社では下げるつもりがなくても、周辺競合が下げれば自ずと相場が下がっていくので、長いスパンで見れば自社も徐々に下げ傾向になるはずです。
つまり、行政書士の主戦場である許認可業務の報酬は常に下げの圧力に晒されており、更に労働集約型でもあるので、拡大路線一辺倒で人を増やすほど、利益確保は年々難しくなるわけですね。むう、むむう。
市場シェアと利益率について
もう1つの観点として市場規模に対するシェアという問題があるんじゃないかと。以下超あけすけな書き方してしまいます。
基本的に士業は対役所仕事なので、志向しなくとも地域密着にならざるを得ず、地域の中でどのくらいのパイを取るか、シェアを取るかという競争以外ないんですね。陣取りゲームなんです。
そして地域の中で自社がどのくらいシェアを取れるか、というと多分せいぜい頑張って15%くらいなんじゃないすかね。何とか先生という世界観が支配的な業界なので、業務が属人的で流動性が極めて低いので、シェア1%くらいの何とか先生が無数にいる、という業界構造なんですよね(客観的に見て結構キモいですよね)。その中で15%だと、ほぼ圧倒的と言えると思います。
滅茶苦茶頑張って15%も取ってしまうようになると、事実上その地域はトップ2〜3社の寡占市場に近くなり、それ以上パイを広げようとすると、CPOが飛躍的に上がってくると思われます。CPOだけじゃなく人もショバも余計に必要で、相対的に売上全体に占める経費は上がり、当然利益率が下がります。
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下げ圧力と労働集約ビジネス、パイ打ち止めによる利益率悪化が重なるので、一定程度の規模感を維持し続けるのが一番儲けが確保しやすいんじゃないのか(というか論理的に考えるとしやすいんだが)、じゃあ拡げる意味あんのか、という話になります。僕が考える適正規模というのは、その辺のことですねえええ。
翻って、じゃあずーっと同じ規模感でいて良いのかという問題もあろうと思います。(どこかで聞いたことある言葉ですが)行政書士事務所だって事業者ですから、ゴーイングコンサーンが基本なので、そのためには現状維持だけしているわけにはいかないのです。
別に行だけで売上を立てなければならない決まりなどないので、それぞれ好き勝手にやってみたいことをやったら良いと思いますが、少なくとも弊社について言えば、まだ士業の枠組みの中で手がつけられていない展開が膨大に残っていると思っていますから、飽きるまで(まだ飽きてないみたいな言い方...)その未開の分野を掘る作業は続けると思います。
で、弊社にとって考えうる妥当な落とし所も大体見えてしまっているのですよね。先日某チャット内でこの数字をそのまま言ってしまった某同業者さんがおり、やっぱこのチャットおもしれえわ、と思った次第です。
› チャットワーク - 行政書士組織論
(承認制になっており、実はゆるーく一定の承認基準みたいなものがあります。管理者が客観的に見て「たぶん行ってねえべ」と判断した場合、承認されない可能性がありますが、悪しからずご了承くださいませ)