お世話になっております、塩谷です。ニュースがあったので手短かに私見まとめます。
先にババっと近況を述べますが、3末決算の会社さんの総会がほぼ終わってくるので役員改選見込みなどがじゃんじゃん届いており、就退任や人事異動によって許認可メンテが一斉に発生する時期なので、例えるならオークションの低価格帯でベットがバンバン入ってるのを捌いてるような状況。総会承認を待って一気に届出しまくるのだが、上場をトップに抱えた兄弟会社間での異動なんかも入るものだから、入札時期の次くらいにひっちゃかめっちゃかになる予定、このあと。
業浅の新人さんでこの稿を読まれる方がどの程度いるのか知らんが、日本の企業には3末と12末の決算が圧倒的に多いんや、こういうのは試験に出ないし六法にも書いてないんだが、ストリートで生きるには知らないと致命傷になるし、知っていれば逆算して事業戦略を考える縁にもなるので、たくさん知ってると良いのだが、こういうのは知識とは言わず、知恵に近いものじゃないかと思う。事実をまとめるとデータになり、データを分析すると情報になり、情報が一定以上溜まると知識になり、知識の上澄みが知恵になるのだが、つまり知恵は事実を無数に積み重ねていった先にしかないので、事実に基づかないことを言う人を避けるといいと思うよ。
本題に入ります。いや、しかしヤベえことになったもので、もしかしたらこれは10年ほど前に弁護士司法書士業界に降り注いだいわゆる過払い金バブル、又は(不謹慎を承知で例えれば)先の東日本大震災直後の第2次産業に舞い込んだ復興バブル、そんなレベルのインパクトを私たち行政書士業界にもたらすのではないかと思われる、国家レベルでのパースペクティブの転換が行われようとしています。
› 骨太の方針 外国人 - Google検索
新たな在留資格を創設するという話で、しかも創設される資格は単純労働が可能である、技能実習と合わせて最長10年間の在留が可能、10年の間に高度人材となれば本人が希望するまで日本に滞在できる(し、家族も呼べる=移民...)、在留資格認定は(事実上)申請取次研修を修了した行政書士のみが業として行える、などなど、単に行政書士の取り扱える在留資格認定申請の分野が増えるというレベルの話ではなく、「爆発的に業務が増える」「届出制が許可制に変更されたくらい増える」「もはや本質的にこれまでの在留と違う分野が1つできる」くらいの違いが生まれるのではないか(つうか生まれる)と言えるでしょう。
アングルを変えて、行政書士業務とは何か(行政書士という制度の効率的な運用方法とは何か、噛み砕いて言えば、行政書士はどうやればうまく事業として成り立つのか)を検討します。検討しすぎてもう俺、この話飽きてるんで、途中を全部端折って結論を書けば、企業相手に許認可を売るという身も蓋もない結論に行き着きます。更に言えば、許認可とは規格化されたコモディティ商品と言えるので、規格に合った商品をいかに効率的に生産するかのオペレーティングが肝だとも言えるでしょう。
› 行政書士組織論: 士業のコモディティ化検討の習作
(組織化というのはそれを最大化するための作業で、俺個人は時流に合わせてそうしているだけで、1人のほうが気楽でいいんですけどねえ、でも仕方ないですよね、ここまで来てしまったのだから)
んで、今回は新しい規格が創設されますというトピックで、しかもどうやら国家的に政策転換してこの規格を普及させようとしているようだ(=外国人の単純労働者を増やして国内の労働力確保を急いでいる、事実上の部分的移民開放政策を取るのだな)という見立てなので、爆発的なニーズが予想されるが規格の詳細がまだ明らかにされていない、誰にもどういう形になるのか分からない、という状況です。
やるしかないでしょう、がっつり勉強して初っ端から規格にあった商品を大量生産できる体制を作るしかないでしょう、我々は時代のニーズによって業務を独占させてもらえる資格を与えられているのだから、新たなニーズが生まれたら、アジャストするのが筋でしょう。しかもできるだけ適切な規模と質量で。士業にとって法改正は参入のチャンスだとは昔から言われることですが、上記のようなことを指しているのです。
次、ビジネス的にどうなのだ、という検討も一緒に書いておきます。ドローンも民泊も近年の法改正にあったトピックでしたが、弊社では全然取り組んでません。明け透けに言えば、単価が低いからです。これも根本的な話で、塩谷は自分のビジネスセンスとか、経営能力とか、あと事業意欲とか、全然信用していませんし、超絶凡人だという前提で事務所運営をしているので、単価の高くない案件を新規で大量に集め続ける自信なんて全くありません(できるかできないか別として、無理なんじゃん、という前提でいた方が健全だろうと思うので)。今回の在留資格は平均して10〜前後の単価に落ち着いてくると思っていますが、そのくらいの案件が市場にドバっと新たに出てくる機会なんて、そうそうあるものじゃないです。だからビジネス的にもOKです、最高にOKです。
(1〜の案件を100件集めるのは辛いが、10〜の案件を10件集めるのは比較で言えば辛くない。マーケッティングの天才とかウィンウィン野郎とか年がら年中ガッツポーズしてる奴とかなら別なのかもしれませんが、俺そんなんしんどいんで、だってこの業界のキャリア12年で来年40才やで、なるべく平熱のまま職業人生を送りたい、違うだろうか、そうだと言ってくれ)
そしてこれまでと全く逆のことを書きますが、塩谷は某同業者さんからご案内いただいた、高難易度高単価業務を(会社のこととは別に職業人として)習得しようと考えています。産廃施設で150〜とかの話ではなく、もっともっと難しくて珍しくて長くて高いやつです。これは自分の専門分野と興味関心の対象が合致した珍しい事例で、ただ面白そうだと思ったんで習得しようとしているのですが、難しくて珍しくて長い案件はお手前1人を食わせるには結構だが組織運営の基礎には置けず、組織を維持管理発展させていくのに適した業務とはニーズがあってニーズが発生する企業がはっきりしていて、規格化されていて適度な難易度と適度な単価で(さらに言えばリピートする)、というものなので、今回の在留資格の創設はベストマッチすると思うのです。
そして何と、ここまで書いておいて塩谷は実は今まで在留資格の案件をやったことが1度もありません笑。そもそも申請取次の研修を受けたことがなく、この春に初めて申請取次を取ったばかりなのでした(もちろん会社としては取り組んでいました)。新しい在留資格については全くノウハウがないし情報もないので、勉強会をすることにします。新制度スタート時にスパートかけられるように、仕込み始めちゃおうと思って、某在留案件の大家と明後日打ち合わせしてまいりますので、お読みくださる方にシェアできる状況になったら改めてお知らせします。一緒に勉強しようぜ、多分くだんの大家ががっつり取るので参加費すげえ高いと思うけど笑。