. 行政書士組織論: 起業と経営と戦前と戦後

2018/09/05

起業と経営と戦前と戦後

お久しぶりになってしまいました、塩谷です。また、今日もブログを投稿しているほどの時間もないので、ただお送りした方には文書でのご案内が届いている頃ですので、これについてまとめておきます。なお、当然ですがこの稿と戦前戦後については一切何の関係もありません。

塩谷と長江ちゃんは行政書士法人A.I.ファーストという法人をやっていたのですが、8月末で分割することにしました。長江ちゃんが経営する行政書士法人A.I.ファーストと、塩谷が経営する行政書士法人ファーストグループという新設法人の2本立てでこれからは参りたいと思います。行政書士法上、ホールディングスや持ち分の相持ちなどは(2018,10時点では、としますが)不可能なので、法令上は完全に独立した2つの別会社ということになります。新体制で我々のグループが事業活動をするのは10月からで、現在は移行期間です(塩谷が長江ちゃんのところから独立した、みたいな阿呆くさい話ではないです)。


AIとFSTG(新法人のことです、ファーストグループを略式表記するとこうなるっていうか、字面のFSTGから逆算して法人名決めたんで、僕は個人的にこの略称気に入ってるんですけどね、下らないと言うなら僕に聞こえないように言ってください、悲しいので)は、大まかには日本をエリアで分割して営業するということにしています。西のAI、東のFSTGです。士業事務所を法人化できるようになって10数年、近年になり資格法人化を検討することのご相談をご同業からいただいたり、法人化した後の営業展開や運営管理ノウハウ、多店舗化について情報交換が起き始めたり、という業界ご時世に、さっさと分割してしまった我々は結構ナウいんじゃないかなと。

さて、前置きは終わりにしまして、なぜそんなことをしたのか、という話に移ります。もちろん喧嘩してお互いもう顔も見たくないからに決まってますが、我々もそれなりに大人で、そういうのは外部的に事業上差し支えるので、戦略的事業再編ということにしています。いえ、嘘です。

わざわざ1つの法人を分割するなんて、突き詰めて考えて、合理的な理由を探そうとすると3つか4つくらいに着地すると思いますので、想像してみてください。そして、その想像されたいくつかの理由が、我々が分割する理由の全てです。事業上の合理性、そして個別に見れば個人にとっての合理性から出てくる答え、がそのまま正解です。

強いてこれまでの事務所経営の中で僕と長江ちゃんの役割分担をするとすれば、長江=起業、塩谷=経営です。長江ちゃんは起業できればなんだっていい人だし、塩谷は目の前にあるものを経営して育てていくのであれば、なんだっていいです(社内の相対として、な)。で、今回の事業再編は、その差異が不可逆的に表面化した、という生臭い話では全くないのだが、同時に、事業観は完全に一致したままだ、あくまで事業戦略上の合理性だ、という青臭い話でもありません。この辺りでブログに書けることは尽きるので、メールやチャットでする話でもないし、ご興味があれば会ってお話しましょう、仙台か福岡まで来てください笑

さて、アクティブにパーマネントな事業活動をしている行政書士法人が事業規模を維持したまま分割されるというのは、僕の卑小な見聞の範囲では少ない事例ではないかと思うので、またもや世間に流通していない余計なノウハウが膨大に蓄積されました。具体的には、分割を検討する場合の類型、分割を中期的ゴールとしたスケジューリング、事業所内での調整と雇用関係のスムーズな移転、外部への通知と引き継ぎ(が発生する場合のタスキング、スケジューリング、ペーパーの整備)、外部契約関係の整理と移行(が発生する場合のタスキング、受皿整備)、オーナー間アセット分離の切れ目調整つうか金の話、ファイナンス、税務、労務法規対応、などなど。ご興味がある方(というか具体化する方かと思いますけど)は、個別にコンサルティングはできないというか、そんな大した話じゃないんで、ご協力します。

以前以下のような記事を書きました。

行政書士組織論: チキンレースと偏執狂について

業界では離合集散が起こるんじゃないの、という見立てをしたものの、はっきり言って自分が近未来にそれをすることになるとは思わなんだが、業界全体としてそうであろうことの端緒が我々だったというのは、それなりに何かを示唆しているようにも思え、僕も長江ちゃんも至ってポジティブにこのことを捉えています(というか、常時平熱です)。